









東近江ののどかな里にこんな味わいのあるお寺がありました。その名も教林坊。
竹に囲まれた山門をくぐり、少し急勾配の参道を歩くと、すぐ、この空一面を覆う真っ赤な紅葉が目に飛び込んできます。書院と蔵の屋根は、ヨシで葺かれています。琵琶湖に生えるヨシ。近江のお寺らしいですね。
ここは、長い間、住職が不在で、荒れ放題になっていたそうです。それを今の住職が、庭を整備され、こうして鑑賞できるようにしてくださいました。
そのいきさつが新聞記事になって、それが本堂に展示されてましたので、ここに、引用しました。
客殿(書院)は、ヨシぶきの屋根だった。土蔵もそうだ。ヨシは琵琶湖の水辺を包む、湖国の寺らしい。
渋いヨシ屋根を血染めの紅葉が彩る。楓は100本近い。「古いものは200年以上」そう言って、住職の廣部光信
さん(33)は、江戸時代に書かれた寺の縁起の現代語訳を示した。
ーもみじの葉をゆする風の音は、転任がこの霊山に遊んで音楽を演奏しているようでー
近江の寺を愛した白洲正子は「ささやかな寺」と表現し、「興味をひいたのは、慶長時代(1596~1615)の石庭で(中略)いきなり山につづく急勾配に作ってあり」と記した(「かくれ里 石の寺」)。
そんな名園の寺だが、20年ほど締められたままだった。廣部さんが「石の寺・教林坊」として公開したのは、今年4月17日である。1995年に住職に就いた。無住に近い状態が続き、寺は荒れていた。「ヨシは半分腐って、雨漏りがし、床は一部抜けていた」私財を投じ、地元の信者や町の協力を得て、復興した。客殿は全面改修に近かった。本堂の垂木は自分で作った。「お金がないから」と言って指差した手作りの柱は、長さが足りず、継ぎ足してあった。「素人仕事で」と笑う。周囲の竹林も切り開いた。ただし、竹に囲まれた寺の風情を残しながら。すべてに、「かくれ寺」を意識した手入れだった。
11月13日~28日、土の上に明りを置く。「紅葉は赤く、竹は白く」。光に浮かぶ庭を、たくさんの人に知ってもらいたい。その一方で、かくれ寺のイメージは失いたくない。難しい調和を求めている。【梶川伸】
この記事は、新聞名がわからないのですが、平成16年のもののようです。それから、4年。それでも、そんなに多くの観光客が押し寄せているようではないので、この「かくれ寺」の趣は、崩されていません。
参拝の折いただくパンフレットに寄れば、この教林坊は、推古13年(605年)に聖徳太子によって創建されました。とても、歴史のある由緒あるお寺なのですね。画像にはありませんが、境内に、「太子の説法岩」と呼ばれる大きな岩と、ご本尊を祀る霊窟が残されています。
庭園のヨシ葺き書院は、とても趣があって、これに真っ赤に染まった楓の落ち葉が乗っている様子は、ふーっとため息が。。。近江の湖に群生する植物をうまく使っているのに、心打たれました。
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